1. 起源:韓国の民間療法「坐熏(チェオン)」
- よもぎ蒸しのルーツは、韓国で約600年前から行われてきた民間療法。
- 出産後の女性が下半身を温め、回復を早める目的で行われていた。
- 漢方薬草(艾葉=よもぎ、当帰、生姜、桂皮など)を煮出し、
その蒸気に座ることで「氣血の巡りを整える」「冷えを除く」「子宮を清める」とされた。 - 韓医学では「温補」「理血」「去寒」の考え方に基づく。
2. 日本への伝来と発展
- 1990年代後半〜2000年代初頭に、韓国式エステとともに日本へ。
- 当初は新大久保などで「韓方よもぎ蒸し」として紹介され、
その後リラクゼーションサロン、美容業界に広まる。 - 日本独自の発展として、アロマ・ハーブ・温泉文化と融合し、「温活」「妊活」「体質改善」の目的で定着。
3. 日本古来の“蒸し文化”との共通性
日本にも古くから蒸気を用いた健康法が存在。
薬草湯(奈良・平安時代)
光明皇后が薬草を煮出した湯で人々を癒やした記録(『続日本紀』)。
蒸し湯(むし風呂)文化(江戸時代〜)
別府・島原など温泉地に残る「蒸気浴」「薬草蒸し」習慣。
よもぎ蒸しは、韓国伝統+日本の温泉・薬草文化の融合形。
4. 伝承と現代化
- 現代では、電気スチーム式や国産ハーブブレンドなど、
素材・設備・目的が多様化。 - サロンでは「冷え・ストレス・女性特有の不調」に合わせたブレンド提案や、
医学的根拠に基づくアプローチも行われている。 - 現代のよもぎ蒸しは、“自然療法 × 科学 × 心のケア”を組み合わせた新しい温熱ケア。