生薬とは?

生薬(しょうやく)の定義
  • 自然の素材を、医薬品の原料として用いるもの。
  • 加工は最小限(乾燥・粉砕・焙煎など)。
  • 主に植物の「根・皮・葉・花・実・樹脂」を利用する。
     例)芍薬の根、桂皮(シナモン)の樹皮、甘草の根など。

💬 “薬草”と“生薬”の違い

  • 「薬草」:広く健康維持や民間療法で使う植物。
  • 「生薬」:医薬品・漢方薬の原料として、品質基準が定められているもの

生薬の種類(由来別)

区分由来代表例特徴
植物生薬根・皮・葉などよもぎ、葛根、芍薬、桂皮、甘草約8割を占める。最も多い。
動物生薬動物の分泌物や体内物質牛黄、蟾酥、鹿角など強壮・解毒など。使用制限あり。
鉱物生薬天然鉱物・石など石膏、滑石、硝石など熱を冷ます、利尿などに使用。

サロンで出会う多くの薬草は「植物生薬」。
体を温める・巡りを整える・リラックスさせるといった目的で活かせる。

生薬の歴史

  • 約2000年前、中国の薬物書『神農本草経』に始まり、
    日本には奈良時代(光明皇后の薬湯など)に伝来。
  • 日本では**「本草学」**として発展し、江戸時代に国産栽培が盛んに。
  • 近年は国産薬用植物の再評価が進み、地域ブランドや機能性食品にも応用されている。

💡 例:「よもぎ」や「クコ」「ゲットウ」などは、伝統薬と美容・温活の橋渡し素材。

生薬と漢方の関係

漢方薬=複数の生薬の組み合わせ処方。

生薬1つ1つの働きが異なり、相乗効果でバランスをとるのが特徴。

例)葛根湯=葛根+麻黄+桂皮+芍薬+甘草+生姜+大棗
 → 風邪の初期・肩こりなどに。

現代における位置づけ

医薬品、医薬部外品、健康食品、化粧品、ハーブティーなど多方面で活用。

国は「薬用植物資源の国産化」を推進中。